くわまんG

ニア・ダーク/月夜の出来事のくわまんGのレビュー・感想・評価

4.0
キャスリン・ビグロー監督ソロデビュー作。その頃最もアツい仲だったであろう元夫ジェームス・キャメロンから、前年公開『エイリアン2』のバスケス、ハドソン、ビショップを拝借した、作品内外でロマンスたっぷりの一本となっております笑

みどころ:
一味違う問題提起的結末
ありそうで無い吸血鬼の設定
躍動するエイリアン2乗組員
レーザー銃のような陽光
良し悪しチープな雰囲気

あらすじ:
ツッパリのケイレブは、獣医の父、幼い妹と田舎で三人暮らし。はね返ってはいても妹や動物を大事にしたし、父を敬っていた。
その日、夜遊びしていて捕まえたのは、とんでもなくマブい女。全力のナンパは成功し、夜空の下そっと顎を引き寄せる。ところがキスを試みたその瞬間…痛っ!?
なんと女は吸血鬼で、ケイレブも吸血鬼にされてしまった!愛する恋人と居られるけれど、日光浴びると死んでしまうし、何より食事(吸血)しなきゃ生きられない。
…俺は一生このままなのか…だとしたらもう家族とは会えない…どうすればいい……?!

…お?ハッピーエンド?…ん~…?
いいねぇこういう終わり方♪

“吸血鬼になる条件”が各登場人物にジレンマを発生させているので、単なるラブロマンスに終始せず、お話全体に奥行きが出てるんですね。それが最後の最後まで効いていて、“愛し合う二人が結ばれるのに微妙”なエンディングを迎えるわけです。面白いなぁ。

吸血鬼に親しみを感じるやりとりを見せておきながら、「吸血鬼=快楽殺人者=悪党→死ぬべき」という逃れられない因果律を提示して、切ない結末をしっかりと予感させます。“ウェスタン風吸血鬼映画”と評されるのも納得ですね~。

最近は男らしい大作を連発し、すっかり女傑なキャスリン・ビグロー。キャメロンの悪夢から覚めたのか…?笑。まぁこれもドリーミーだし、元から男らしかったのかもしれませんねぇ笑