ずどこんちょ

クワイエット・プレイスのずどこんちょのレビュー・感想・評価

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)
3.4
モンスターホラー。隕石と共に地球に飛来したその得体の知れないクリーチャーは、盲目だけど超敏感な聴覚を持っており、些細な物音を感知して人間を襲いに来ます。
生き物の鳴き声も一切の物音もない静寂な風景になった世界で、アボット家族はサバイバルしていたのです。

音うんぬんじゃなく、釘のシーン痛すぎ……本作で一番目を背けたくなるシーンでした。なんであんなところに上向きの釘打つの。
あとこんな世界で子供産もうとするなんて想像を絶する恐怖。こんな世界だからこそ、なのでしょうか。有事の時こそ出生率が上がるのかも。ただ、赤ちゃんは無音と真反対の世界で生きていますから、それが家族のリスクを高めて緊張感を増やします。

家族のキャスティングにリアルさを意識しているのは個人的には面白いと思いました。
アボット夫婦は実際に本当の夫婦で信頼関係を感じるし、長女のリーガンは本当に聴覚障害を抱えています。音のない世界を知っているからこそ、リーガンの目は視覚で情報を確保しようとするリアルな演技をしています。
マーカス役の子役は『ワンダー 君は太陽』で聡明な親友を演じていたノア・ジュープでした。相変わらず賢そうな顔立ちをしてらっしゃる。なんとなく育ちが良さそうな雰囲気です。

劇中、ほとんどのシーンで音がしません。登場人物たちは手話でコミュニケーションを図り、足音を立てずに歩きます。
物静かな深い夜、音を立てずに一人で見ていると些細な生活音でビクッと反応してしまいそうな五感で感じるホラーでした。