ごてふ

THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティのごてふのレビュー・感想・評価

3.5
新宿武蔵野館にて。平日の昼の部にも拘らず妙齢の女子が過半で少々驚き。共演の男優目当てか。女優志願で妄想癖のある女の10年にも及ぶ彷徨のお話。どこか浮世離れしたメルヘンと云っても良い。時間軸と虚実を再構築したやや難解な作風がシナリオも書いた監督の真骨頂なのだろう。絢爛たるカット割や洪水のようなサウンドトラック、奇矯な設定や凝ったセット・小道具などなど、大きなキャンパスに体当たりで絵の具を塗りたくる現代アートの如きエネルギーは感じられる。その毒気に好みが分かれる作品だと思ふ。一番強く感じたのは天井桟敷あたりとの類似点。アバンギャルドにも新旧今昔あり。どんなに過激な表現であっても、その核の部分は詩的な自己実現の渇望なのだろう。
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