リミナ

トップガン マーヴェリックのリミナのレビュー・感想・評価

4.0
36年の時を経て新たに飛び立つ『トップガン』。

現実と同じように劇中も時が流れ、機体や設備からパイロットの在り方といった時代性まで変化。
一方で前作を彷彿とさせるシーンの数々。人、もの、環境、変わるものと変わらないもの。

実際の機体を用いて撮影する制作方法は前作と変わらずだが、その完成映像から得られる臨場感は段違い。コントラストの効いた画面の色味や視認性の高いカット割りのおかげで、ハイスピードな飛行の世界でも何が起きているのか状況を掴みやすい。
加えて劇伴もより重厚なものを使うことでドラマ性を、ときには環境音のみにすることで緊張感を高めていく。

物語の展開も起伏がありつつ二転三転、ハラハラさせられることも多々。その中で行われる決死の作戦はクリア・アウト条件が提示され、その訓練にも尺が割かれるため、話に付いていきやすい。マーヴェリックとルースターの関係性の変化を父親の姿と被せつつ描いていくのは自然と込み上げるものがあった。
対して、敵側の描写は少ないが、攻撃の回避方法等で操縦技術の高さを見せるのは説得力があった。

年を取った主人公の身を挺した活躍で勝ち取る信頼、新たな出会いと別れ、下の世代への引き継ぎ。間が空きすぎたことで却って、2作目にしてここまで高密度なものが観られるとは。過去に囚われすぎない理想的な続編の形。

「Don’t think. Just do.」
予習は第1作目のみで済むので、まずは観て欲しい。
リミナ

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