このレビューはネタバレを含みます
唐田えりかさんと東出さんの私生活のことは一旦差し置いて、ひとつの作品として公平な視点で鑑賞しました。しかしながら、唐田さんのお芝居に関しては辛口にならざるを得ない作品でした。
脇役の俳優陣が素晴らしすぎるから余計に台詞の棒読み感、心のこもってなさが浮いていて、東出くんと共に関西弁が下手くそ過ぎて、彼女が声を発するたびになんだか萎えました。ごめんなさい…
ただ、彼女の纏う独特の憂いは、主人公の朝子にぴったりでした。
迷わず麦の手を掴んだ時にえぇぇぇぇ！って唖然としてしまったけど、静かで暗い佇まいの中にとんでもない激しさを秘めてる雰囲気、魔性に満ちたその影が妙に魅力的で、あぁ、多くの男性が堕ちてしまいそうな女性だなあと思いながら見ておりました。あと、鼻筋がとても綺麗で、見惚れちゃう。なんか不思議な魅力がある女優さんだなあ、あの一件が無ければ色眼鏡で見られることもなかったと思うと非常に勿体ないです。
でも、やっぱりこの手の作品で主役2人があれだけのスキャンダルを起こしてしまうと、役柄が役柄なだけに一生この作品は色眼鏡で見られるのだろうなと思います。監督や一緒に撮影に参加されたであろう地元の人々(彼らは役者さん？芝居うまかったからプロ？)のことを思うと、残念です。
それにしても、瀬戸くんってこんなにお芝居上手だったんですね。お好み焼きパーティーのシーンのあの空気感、胃が痛くなるほど辛辣で嫌味で、すごかった。瀬戸くんの役者としての魅力に触れられただけでも見れてよかったです。伊藤さん、山下さんの安定感は言わずもがな。自然です。本当にお芝居が上手い…！
渡辺大和さんと田中美沙子さんの掛け合いも良かったな。後半の変貌はとても胸が痛かったけれど。
最後に、東出さん。関西弁はだんだん良くなってった印象で最初は違和感があったけれど、良いお芝居をするなあと強く思った瞬間がありました。朝子が麦と再会したテーブルのシーン。あの嫉妬と嫌悪に満ちた表情、凄みがありました。すごい。
いわくつきの作品になったとはいえ、各俳優陣がポテンシャルをキラキラ輝かせてる暗い、暗い、静かな作品でとても見応えがあり個人的には見てよかったです。
