芹沢由紀子

寝ても覚めてもの芹沢由紀子のレビュー・感想・評価

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
3.3
一つの家庭をぶっ壊すほどの愛をはぐくんだ作品を見てみたいと思い、鑑賞。(ゲスい)
すっごく世間から(とくに奥様方から)悪の根源みたいな印象を持たれているけれど、映画単体としてみたらなかなか見ごたえがあった。
ぬるい恋愛映画ではなかった。
私は東出氏のスキャンダルが報道されなければ、この作品は箸にも棒にも引っかからなかったし見ようとも思わなかっただろう。


さてこっからネタバレあるかも?ご注意を~~~~~~~~~~~~~~~~

前半の、Wデートの連続にいったい何の意味があるのか、こいつらは、もう一組男女が絡まないと恋愛すらまともにできないのかと思っていたら、あとになって効いてきた。
とくに、お好み焼きのホームパーティーの下りは、4人のパーソナリティーがうまく表現されていて見ごたえ。

中盤は、ショーン・ペン主演のイカレ映画「シーズソーラブリー」を彷彿とさせ、女は堅実な暮らしと堅実な男を捨て、エキセントリック男との逃避行を選ぶのか!とやきもきした。

なかなかいい展開だ!少女漫画っぽいキャラ設定と、流れがとっても女子女子している。
猫もかわいい。
そして、最後に友人岡崎と、母親の暮らしぶりに頭を殴られるようなショックを受けた。あの親子にいったい何の業があってこんな重荷を背負わせるのか?!あのシーンのせいで、主人公2人の恋愛あっさ!(浅)って一気にどうでもよくなってしまった。
でも人生ってほとんどが意味のない現実の連続なんだって改めて身につまされる。すべてのことに大した意味はないんだ。それをアホみたいな男女のドラマチックラブストーリーにぶち込んで来る残酷さよ。

自分も20代のころ、遠距離恋愛してた時に、ついさみしさから1夜の過ちを犯してしまい、すぐさま飛行機に飛び乗り、当時の彼氏のもとへ出向き、彼に泣いて土下座して謝り倒したという闇の歴史を思い出してしまった。

あの彼は今も元気なのだろうか・・・そして、浮気相手の方は顔も名前も思い出せない。
芹沢由紀子

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