ごてふ

さよならの朝に約束の花をかざろうのごてふのレビュー・感想・評価

3.7
T・ジョイSEIBU大泉にて。週末のレイトショウには10代と思しきカップルやグループなどで20名強と閑散。「あの花」と「ここさけ」で名を上げたシナリオライターの初監督作。両作は劇場鑑賞していたが、本作の予備知識は全くなし。過去作から一気にスケールアップした神話的舞台設定(世界観)を持ったファンタジー。スタッフワークの統制が効いたハイクオリティな作品であると思ふ。井川憲次も良いお仕事振り。壮大な国家間の争いもあるが、コアストーリーはシンプルな親子愛(疑似ですが・・)。ヒロインの背負っている宿命と息子の成長と葛藤との軋轢が物語に深みを与えている。エモーショナルな科白の数々が心に刺さりますな。ラストはすれっからしのわたくしでも流石に泣かされました。永遠の時を生きる者にとって愛は残酷で孤独なものである。萩尾望都の大傑作«ポーの一族»を思い出した。
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