バス行っちゃった

ヴィクトリア女王 最期の秘密のバス行っちゃったのネタバレレビュー・内容・結末

-

このレビューはネタバレを含みます

タイトルやあらすじから期待される要素が手際良く展開されていって最初から楽しませてくれる一方、その手際の良さゆえなのかどうなのか、女王とアブドゥルが割と早い段階で互いを認め合っていて、二人が何をもって互いをそれほどに尊重しあえたのかがちょっと掴みきず若干感情移入しきれないところも。

まあそれならそれでもいいのだけれど、かといって、ではその二人の関係の別側面を鮮やかに暴くような悪役というのもおらず、物語的な谷間で崩れかける二人の信頼関係も次のシーンでは自浄作用的に修復されていってしまうので、見ているこちらの感情にそれほど大きな高低差が訪れず、なんか想定内のキレイな話が最後まで続いていってしまったという感じ。

劇中にセリフでさらっと流されてしまったアブドゥルの才覚でもってのし上がってきたという面なども見せてくれたらもう少し好みの話に思えたのかなという気もしつつ、でもまわりのお兄様お姉様たちは楽しんでおられたようだし、陛下のなにこのかわいい生き物っぷりも最高だった、なによりも陛下を看取るアブドゥルの姿勢が、ああ自分もあのようにできたらよかったのにと胸に突き刺さってしまったので、まあ、まあ、まあ、的な。