おもしろかった。特に後半からの加速がよかった。彼らは原告団という括りの中にいるが実は各々が違う出自を持ち、違う考えをしているという当たり前の事実、しかし普段ニュースから流れてくる"原告団"というフレーズからは伝わってこない事実を認識できた。人は生きていく中で様々な選択をし、そしてそれは自分の意思によるものだと信じて疑わないが、意識的、あるいは無意識のうちに選び取らされているという可能性も十分にあり、それを強いられるのはいわゆる構造的な弱者でしかありえないのだろうか。訴訟は終わったが、それによって受けた苦しみが無かったことになることはない。死んだ人も生き返らない。だから一つの区切りでしかないということの意味は分かるが、じゃあこの問題はいつ終わるのか。原告が全員亡くなっても、この裁判を知っている人がいなくなっても、人類が滅びても終わらないと思う。思うことが多すぎて感想が湧いては消えていく。とにかく、圧巻の215分だった。
