やんげき

ビール・ストリートの恋人たちのやんげきのレビュー・感想・評価

4.0
ファニーとティッシュの二人のシーンにメロメロ。地下鉄で見つめ合うだけ、飯屋の入口でただ手を繋いでるだけなのに目から出る「貴方しか見えない」感、台詞や声から出てくる繋ぎ止めたい幸福な瞬間感、身体中から出てくるわずかな緊張が、超ロマンチック。

バリー・ジェンキンスは完全この作品でロマンチックの帝王になりました。

セックスで服を脱がせてこれからよしヤルゾ!ってタイミングで立ち上がって、レコードに針を落とすとかどんだけなんだよ!ムード重視し過ぎだろ!!

ジェーン・オースティンとか作らせたら一体どうなっちゃうの!?と思わなくもないけど、あくまで描くのは黒人に対する理不尽な差別と体制。

あまりに理不尽で救いようのない世界で真っ当に生きようともがく愛に満ちた人々が残酷過ぎて辛い。この事が決してフィクションとは言えないという現状に言葉がない。

それにしても
「安心しろ、俺は全てきみのものだ」とか「ただ愛するもの同士を見るのが好きなんだ」とかセリフキメ過ぎでしょう!有難うございます、大好物です。

本当に細かい部分まで、ディティールを描くのを忘れない「スペイン語のやりとりしてる時の表情の説明」とか「香水をかぐ白人男性と黒人男性の説明」とかが素晴らし過ぎてこりゃ良い映画だわー。と素直に思いました。

ストーリーはリアルに慈悲がなくて、どんよりするけれど。
やんげき

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