Hiro

スリー・ビルボードのHiroのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.1
「レイプされて殺された」「犯人逮捕はまだ?」「なぜ? ウィロビー署長」小さな町のはずれに立てられた3枚の看板によって巻き起こる人々の葛藤と衝突、そして、、、。

ストーリーの展開がめちゃくちゃうまい!!全くだれない。おそらくこうなるだろうなーという予想を何度も裏切ってくるが、驚き、笑い、感動が無理に感じないし、どんどん引き込まれていく。また登場人物のいでたちやセリフでその年代や町の性質、時代に横たわる空気を表現していて、説明臭さも全くない。

この映画で描いているのは、映画内にも出てくる「怒りは怒りを来す」という言葉、「怒りの連鎖」だと思う。そして同時に「赦しは連鎖し得るか」との問いかけだと感じた。主人公である一人の母親の煮えたぎる怒りは署長、署長を慕う部下、町全体の怒りを呼び、たくさんの悲劇が生まれた。しかし、映画の後半、ある一つの展開から「赦しの連鎖」が始まる。誰が誰を赦すのか。その連続に心が揺さぶられる。
ただ、結局最後には自らが自分自身を赦せるかどうかだと。最後の登場人物2人の旅立ちはその旅だと思う。自らの罪の意識との戦い。ラストシーン、誰と誰が何のために旅に出るのか、ここがこの映画の肝だと思った。

たーだ、どんな世界にも「赦されざる奴」ってのはいる!!いってまえいってまえっ!!
Hiro

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