ももんが

スリー・ビルボードのももんがのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
2.5
いい役者が揃って、カメラも緩急自在、話の転がし方も心得た演出でもって、随所にニヤリとさせられる気の利いた台詞があちこちに散りばめられている。

…ただ、これは映画的じゃない。。と個人的には思いました。
映画の間合いじゃない、と。

これって演劇に掛ける戯曲の装いですよね。

ある少女がレイプの果てに殺されてしまったという既成事実から関係者たちはどのような感情を醸し、どのように行動し、それが如何様に周りに影響を及ぼし反響し合うのか。
そういった諸々の感情と理性(機知)のケミカルなプロセスの果てに何が残るのか。
演劇は対話への信頼に基づいてそれを炙り出していきます。
本作も、フランセス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェルら主要、三者によるミニマムな対話劇として人間関係の推移の機微を掬い取っているんだと思うんですね(ミルドレッドのエクストリームな“行動”もフィジカルな表現としての“対話”だと、本作に於いては思うわけで…)

そんなミニマムな空間を、映画的ダイナミズム(リアリズム)に拠るフレームに、なんだか無理くりに敷き詰めた結果、間延びしちゃった感じがするんです。

映画的リアリズムに沿うならば、“レイプされて殺された少女”のポジションは本作では、はっきり言って軽過ぎです。
俺はその“事実”の重さが足枷になって、ストーリーが最後まで上滑りの状態でした。




….う〜ん、、多分ですがこの評価は俺に娘がいる、ということに多くを負ってますな^^;