RiN

スリー・ビルボードのRiNのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.2
『何回でも言うけどウディ・ハレルソンのウィキペディアはめっちゃウケる』

映画作るの上手いなー!!!って終始思わせてくれる1本でした。
最初はね、ダッセェタイトルだなって思ってたんですよ。
「スリービルボード」ですもん、まんまじゃん、ひねれよ、ってね。
だけどね、映画を観ていくと、このスリーの意味、そしてビルボードの意味に気付かされる。

まずはスリー。
言うまでもなく3枚の広告のことでもあり、物語の3人の主人公のことでもある。
1人目は、娘を失った母親。
このひとの、「8歳以上の男性のDNAサンプルを管理する」って意見、もちろん非人道的だし非現実的かもしれないけど、実現したら泣いて喜ぶ女性多いだろうなと思いました。
2人目は、町民に愛される警察署長。
愛する妻と子供たち、そして町民や同僚にも愛される思慮深い人物でした。
ウディ・ハレルソンって本人ぶっ飛んでるのに常識人の役もすんなりいけてすごいですよね。
そして3人目、不良巡査にして、女主人公を目の敵にするマザコン野郎。
終始クズなんですが、アメリカ映画ってクズがいい仕事すると名作になる。

そんでもってビルボード。
もちろん広告という意味なんですが、映画の中ではかなり「報道」って意味でも使われていました。
事実と、事実を切り取って再編集した「事実風のニュース」たち。
メディアが民衆を煽ることについてかなり前から各所で問題になっていますが、ここ最近さらに酷いですよね。
そんな社会問題にも(主人公たちの意図せぬところで)しっかり釘を刺しているストーリーだったのかなと。
タイトルの意味をしっかり回収し、さらに映画としてもクライマックスを3人分用意し、余韻たっぷりのエンドロールに持ち込む。
映画作るの上手いなー!!!(2回目)
RiN

RiN