Otun

スリー・ビルボードのOtunのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.7
出た。今年一。
劇場公開時、これだけは絶対に映画館で観よう観ようと思ってたのですが、その頃は私自身のお約束である馬車馬お仕事月間だったのでして、クフ王の墓を、切り出した石で積み上げて作るような過酷な労働の時期だったため、断念。
ようやくBlu-rayで。『スリービルボード』。

なんちゅう隙のない映画だろ。
脚本にひたすら唸り続け、フランスマクドーマンド、サムロックウェルなど出演者達の人物描写にまた唸る。
なにより、マーティンマクドナーの生み出す、そのフィクションの切り出し方にたまげる。たまげ続ける。

憎しみが憎しみを呼び。悲劇に悲劇。絶望には絶望。恐ろしい負の連鎖を観客は目の当たりにする。
が、世界はそれだけじゃなかった。
「貴方に言わなきゃいけないことがあるの、、、」
「あんた以外に誰がやるっていうんだ」。
なんだよ。世界にはまだ人間性が、ユーモアが、赦しがちゃんと残っていた。
マーティンマクドナーまじ凄いな。久しぶりに監督名クリップしちゃうぞ。

何がその人のフックになり、それからの生き方が変わるかなんて分からない。
出来ることなら、良い連鎖を生み出せる人に私もなりたいもんだ、そう思いました。
重複になりますが、圧倒的なほど、今年一でありました。
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