HicK

ダンボのHicKのレビュー・感想・評価

ダンボ(2019年製作の映画)
3.9
《好きなリメイクの仕方》

【リメイク理想系】
元のディズニーアニメーション版ダンボの物語は開始40分ぐらいで終了。そこのから実写独自の物語が進んでいく。という点で実写化した意味は十分にある作品だと思う。実写化の必要性を問われるような完璧なコピーでも無く、原作を壊すようなアレンジが行き過ぎた別物でもない。オリジナルを描き切った上で新たな物語の展開。ダンボが飛べるようになった後の話でもあり、人間視点から描いたB面的醍醐味もあると思う。

【ダンボ】
可愛い。特にちょこちょこと歩く姿がとてもキュート。飛行シーンではどうしても物理的無理を感じてしまうが、外見的リアルさとファンタジー的可愛さを融合し実写ならではのキャラクター化に成功していると思う。

【個性豊か】
「バットマン・リターンズ」が好きな自分にとっては、ブルースとペンギンの再共演に胸が熱くなった。個性豊か過ぎる俳優陣たちが活きる最後のジャンボ救出劇はとても面白かった。出来損ないたちが各々の能力を披露する展開でヒーローのよう。

【設定いいね】
母を亡くしたファリア家だからこそ、ダンボにとっての母の大切さを知っているという描写がいい。また、他と違う耳を持ったダンボと腕が無いホルトという繋がりも裏テーマとして面白かった。何か欠けてしまったキャラクターを好むバートン監督だからこその面白さを感じる。

ダンボの由来もアクシデントによるサプライズ的演出で良くできているなと思った。Dear Baby Jumbo. から ear Baby Dumbo.

【総括】
今作はそこまでバートン特有の毒々しさがある訳ではなく、子供も楽しめる作品だと思う。美術には彼らしさが溢れていて、それを見るだけでやっぱりバートンの起用は成功だったなと思わせてくれた。こういうリメイクだったらもっと見てみたいなぁ。まぁ、ダンボを掘り下げれたかというと、そうでもないんだけど。
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