テイストは『ミシシッピー・バーニング』に似ていると感じた。
根強い偏見と人種差別、口をつぐむ住民と地元に残る闇という構図がだ。
あっちはアメリカの黒人で、こっちはオーストラリアのアボリジニだ。ただ、この映画では主人公がアボリジニというところに面白さがある。
都会帰りで、地元には元妻に娘もいる。
映画のほとんどは淡々として、荒野が続くのだが、上の設定が緊張感を生んでいく。
とにかく主人公は不屈だ。
周囲が敵だらけという状況のなか、突き進んでいく。だが、必要以上の盛り上げはない。
荒野という風景ともあいまって、逆にクールだった。
銃撃戦も新鮮だ。相手を攻撃できるということは、自分も標的になるということである。
さらに、数撃つ。下手でない鉄砲を数撃つのがクールだった。
主人公は『不良探偵ジャックアイリッシュ』で長髪の用心棒?をやっていたとは。振り幅が広い。