空海花

ガーンジー島の読書会の秘密の空海花のレビュー・感想・評価

3.7
観たいと思いつつなかなか予定が合わずやっと観ることができた。
冒頭のシーンが美しく、すぐに当たりの予感。
終盤まで、画面の美しさはずっと失われず、隅々まで配慮があり心地良い。
主人公ジュリエットは好奇心旺盛で行動力があり、聡明な女性。綺麗だし可愛い。ファッションも良かった。
ドーシーはイケメンで恋の予感だけれど、あんまりイケメンぶりは描かれていない。主役はあくまで女性のようだ。
物語の根底には戦争がある。その場面はないけれど、しっかりと付き纏っている。この付き纏いは重要で、別にいつの時代でも良かったじゃん、と思わせる映画も多く、その点はクリアしている。立ち上がり戦う訳ではないけれども、その中でも自分なりに前を向いて生きる人々が魅力的。少年、少女がすごく可愛い。
しかし、唯一エリザベスは立ち向かったと言えるだろう。どちらかというとこちらが第2の主役。そして物語の肝でもある。
少しミステリーなのだが、そこは都合良すぎかな。元婚約者は将校のようだし。あれは軍用機のような、パラシュート部隊を感じてしまったのだが。あれは私用で出せるの?それともそこも冷めてしまう狙いか?最後も良い人なのか悪い人なのかよく分からなかった。おじいちゃんや少年は良く描けているのになぁ、と男性陣は消化不良。

しかしながら読書っていうのが、いい。
本は別の世界を旅するのだ。
映画は別の人生を生きるという感覚なんだよなぁ

ジュリエットは実際にそこへ旅して、その場所へ現実に息づく。

良い話だ。
空海花

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