ベイビー

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのベイビーのレビュー・感想・評価

4.4
おいおい、最高か! 最高過ぎるだろ‼︎

当初の公開予定から約一年半に及ぶ延期に次ぐ延期。「勿体ぶって先延ばししてるのは、コロナ禍で公開しても、思っているような興行収益が見込めないからだろ!」と勘繰っていた自分が恥ずかしい。延期の理由はそれなりの配慮があってのことだったんですね。今作を観て納得してしまいました。

僕は往年の007ファンというのではなく、ダニエル・クレイグ版007だけを観てきた俄かファン。そんな僕でさえこのロス感は半端ない。ダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンドは、最高のまま終わってしまいました…

愛と哀愁

ボンドのブルーの瞳から滲み出る二つの"あい"。それを見事に描き抜いた物語の素晴らしさ。前作から続くマドレーヌとの愛、そして誰も信じることの出来ないボンドの孤独。

ただ続いているのはマドレーヌだけでなく、ヴェスパーだったりホワイトだりブロフェルドだったりと、「カジノ・ロワイヤル」から脈々と受け継がれている相関関係があり、裏切りや別れの歴史が続いています。それを掘り起こし丁寧にまとめ上げた今作は、今までにないボンドの人間臭さが描かれているように感じます。

その人間ドラマを引き立てているのが様々なコントラスト。世界各国の美しい街や自然を背景に、最新鋭のスパイギミックをフル活用したストーリー展開。そのコントラストがリアルとフィクションの境界線を無くし、終始この世界観に没入させてくれるのです。

それで、今作もクレイグ版ボンドの真骨頂である身体を張った凄まじいアクションは健在。一切衰えを感じさせないダニエル・クレイグの役者魂は本当にお見事でした。冒頭部分、ニュートラルから速攻でトップギアに上がるアクションは見もの。そしてアストンマーティンは最強です。

あとアクションシーンで言えば、ラストのワンカメワンアクションの長回し(本当はもう少し長くやって欲しかったけど)。爆破も使ったアクションをスタントなしであれだけ長く回せるなんて。本当凄すぎです。

今日は「やっと観れた」という気持ちと「これで終わってしまった」という喪失感が無いまぜになり、今もってとても複雑な心境です。

何はともあれ、ダニエル・クレイグ最高でした。
そしてレア・セドゥは美しすぎる。

さらばクレイグ版ボンド。
また会おう007。
ベイビー

ベイビー