タキ

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのタキのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

クレイグボンド5作目にして初めての映画館鑑賞。見てしまったら終わってしまうーと思いつつ目に焼き付けながら噛み締めながらの2時間43分。
前作のあとMI6を辞職しイタリアでバカンス中のボンドとマドレーヌ。過去と決別するために訪れたヴェスパーの墓の前でI miss you.だのForgive meだのおセンチ全開なボンドにいきなり爆発くらわすスペクター一味から戦闘開始。拘置中の(義理の)お兄ちゃんは我が身も死んだ恋人のことも忘れさせてはくれないのだった。居場所を知らせたのはマドレーヌだと判断したボンドは別れを決意し5年後…ジャマイカでひとり暮らすボンドの元にCIAエージェント、フィリックス・ライターが訪れ、何者かに誘拐されたロシアの細菌学者オブルチェフを救い出して欲しいと依頼が舞い込む。特定の人物のみを殺害する細菌兵器を使ってスペクター一味を殲滅し世界征服を企むのが今回の悪役となるサフィンなのだが、マドレーヌと過去に因縁がある人物という設定になっている。幼少期の彼女とのファーストコンタクトになぜか能面(女面)をつけて登場し、ボンドとの決戦の場であるどこかの島の秘密基地も枯山水?をイメージしてるっぽくて、しかもボンドの土下座を見せられるにいたってはさすがに謎すぎて戸惑う(監督が日系なのでおそらく…)
しかも特定の団体もしくは民族を殲滅することができるとされる細菌兵器を使ってサフィンはいったい何がしたかったのかがまったく明かされないし、マチルドを手に入れたというのに簡単に手放してしまうし、悪になりきれない葛藤も感じられず、なんとも中途半端。せっかくのラミ・マレックがもったいない。
最大のトピックはブルーアイズの幼な子が実は…というところだと思う。ベタ展開ながらボンドとマドレーヌの最後の会話にソッと涙する。花火のようなミサイルの中、天を仰ぐボンドが見えなくなる。007としてみなの前から消えていったというのがなんとも心憎い。
物語に一応の決着は着いたが、いまもって見過ごせないのはボンド&マネーペニーの突撃Qの晩ごはんだった。まず初登場のQの自宅にブチ上がり、誰が来るのかいそいそとごはん(中華)を作っているのにソワソワし、次の007までたぶんワクワクは続くと思うので製作のみなさま、何卒…!
タキ

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