NEWおっさん

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのNEWおっさんのレビュー・感想・評価

4.0
「死ぬべき時は今」

ダニエル・グレイグ版ボンド、最後の作品。延期に延期を重ねて去年末にやっと公開された。前作スペクター以来、6年経過してるんで話忘れかけてたけど、ちょっと復習したおかげで見てる間になんとなく思い出したんで大丈夫だった。

見終わった後の余韻に浸りながらこれを描き殴ってるけど、ちょっとマジで何言ったらいいか分からん、ぐらい衝撃だった。今回は「愛」がテーマなんだろうな。それぐらい、シリーズ通して一番人間臭いボンドが見れたかも。

アクションも面白かったし、この「愛」にまつわる話はボンド史上最高に切なかったけど、イマイチだなと思ったのは今回の悪役であるサフィン。どうにもバックグラウンドが薄いし、あんなアッサリ工場爆破されるし、世界に死を与える兵器を扱うボスとしてはカリスマ性が無かった。ってか結局コイツは最終的に何がしたかったのかよく分からん。序盤で幼少のマドリーヌに撃たれてるんだが、そっからどうやって生きてどうやってボスまで上り詰めたのか、間のエピソードも無いし。

あとこれは余談なんだがQ役のベン・ウィショー、なんかしばらく見ないうちにめっちゃ老けたなって思ったのは自分だけじゃないはず。それとアナ・デ・アルマス演じるパロマカッコカワイくて良かった。初任務で緊張してるのにアクションは一流っていうギャップも最高。出番が少なかったのは悔やまれる。スピンオフ作って欲しいくらいだわマジで。

いやあでもあんま使いたくない言葉だが、終わりよければ全て良し、ってなったぐらい、綺麗な終幕を迎えたと思う。新ボンドは果たしてどんな感じになるのか、期待しましょう。


-----------ここからネタバレ-----------





















まさか最後にボンドが死んで終わるってのが思ってもいなかったので、めっちゃ切なかった。最後に本物の愛と家族を手に入れてから死んだのは、果たして彼にとって幸福だったのか。物語的には寂しくも綺麗に着地したと思うけど、欲を言えばその幸せな時間をちょっとでも見たかったと思うよ。