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友罪の知のネタバレレビュー・内容・結末

友罪(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

●鈴木(瑛太)
ラストの殺人現場を訪れたシーン。後悔の念と快楽の想起を表すであろう涙と笑顔。瞬きすら勿体ないくらい繊細な演技だった。
鈴木のなかで、「生きたい」が1番。だが生きるには罪が伴う。罪から逃げるには死ぬしかないが、生きたい。そんなに強く生きたいと思う鈴木の心の底には破壊への欲望が隠されている(だろう)。
振り返った先にいたのは、益田なのか、藤沢なのか、白石なのか。(益田であってほしい)

●益田(生田斗真)
友達だから抱えなければならない罪がある。
いじめの主犯格や仕方なくいじめに参加したクラスメイトは、きっと自殺した子のことなんて忘れてしまうのだろう。同じくいじめに加担しただけなのに、友達だからこそ罪が重く感じられてしまう。

●山内修司
未成年の免許不携帯による事故で3人の子を殺した犯人の父親。
犯人(息子)は罪を背負い前を向いて生きていく決断をしたが、それを受け止めきれない父。息子のあの事故から前に進めていない。
犯人(息子)の妻や周囲は更生して幸せになって欲しいと願うが、一生幸せにはなれない。なってはいけない。だが人生は進んでいく。
被害者家族と加害者と加害者家族。三方の生き方と心情と葛藤を描いている。

●藤沢美代子
自分を闇から救ってくれた彼は少年A。大好きな彼が少年A。そんな時、彼女は彼を受け入れられるのだろうか。
あのメールの「ごめんなさい」は送信したのか。
ラストシーン、走っていく先は鈴木の元なのか、実家のある田舎なのか、または全く新たな地なのか。

●白石弥生
少年犯罪を起こした子たちには命の大切さを伝えている。しかし娘には伝えられなかった。大切な小さな命を娘に殺させてしまった、母親としての罪を感じている。
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