辛いと分かっていたのでなかなか観れなかった作品。やっと観た。
韓国映画のベタ演出の安心感とそこを補強する抜群の演技力は本当に凄い。
パラサイトでお馴染みのソン・ガンホの顔面ショーが今回も炸裂していた。オープニングの陽気さ、妊婦を乗せてやって騙されたと憤りながらも出産を祝福する人の良い笑顔、娘を心配する瞳、死地へ赴く葛藤の揺れ、憤り。この映画に必要な揺さぶりの全てを表現してくれている。
そしてこちらも恒例の名脇役人、ユ・ヘジンのナイスな小市民で優しいタクシー運転手とリュ・ジュンヨルのグッドボーイな学生像。
キャラクターの味付けがどこかにいそうなんだけど、ちゃんとコミカルかつカッコよくて絶妙!
まだ本編の話少しもしてないベースの状態でここまで骨組みをしっかり固めて来てるところが本当に信頼できます。
韓国映画にしては、珍しく涙があふれてこなくて…それよりも冷え切った哀しさや憤りの方が強く「広州事件」自体というより、世界中で40年前から現在進行形で繰り返されている人間の愚かさでとにかく虚しくなってしまった。