「ある兄弟姉妹のリアルな愛憎劇」
吉田恵輔監督久々のオリジナル脚本。見た目も性格も正反対な兄弟と姉妹を主人公に描いたヒューマンドラマ。
これは傑作。吉田恵輔監督は元々好きな監督の1人だが、今までで1番好きな作品かも身内に兄弟姉妹を持っていて、何かひとつでも羨望や嫉妬を持ったコトがあるならかなり共感できる内容。自分は妹が1人いて性別も違うからあまりそういうのは無かったが、それでもこの兄弟姉妹あるある話の行方が気になって仕方無かったぐらいのめり込めた。
口では死んで欲しいと言った相手でも、一瞬見捨てようとした相手でも、最後の最後にはやはり身内の繋がりは捨てられない。そこに行き着くまでの紆余曲折な所謂「タメ」の部分が非常に良くできている。兄弟と姉妹の今までの感情が爆発する大喧嘩シーンが1番の見所。
若干兄弟と姉妹の被せがしつこいと思った場面もあるが些細な顛末。展開も良し、演出も良し、キャストも花丸。地味な上辺に棘がいくつもある刺激的で最高な映画だった。
