桜は春が来るのを待っている。
実写版での松谷卓のサントラが大好きで、その音楽効果による実写版総合評価が高い私からしたら、本作に対する期待値が高めになっていた。
実写版と本作を比較するのも少し違う気がするが、どちらかというと私は実写版の方が好み。
要因は大きくまとめて3つ。
1. 音楽
やはり松谷卓のOSTの作り出す雰囲気が好き。ストーリーと音楽のマッチ具合が堪らない。本作も世武裕子さんの音楽がハマっていないという訳では全くない。
2. 出演者
実写版の浜辺美波と北村匠海の演技が好印象。
実写版のレビューでも記載してあるが、北村匠海がお門違いにも泣いてしまうシーンを観た時のインパクトが強すぎる。
3. ストーリー構成
ネタバレになるので、以下に記載する。
本作の作画は容易に褒めるに値するものだと思う。桜の描写など鮮やかで素晴らしかった印象。
桜良が検査入院した際に、僕(春樹)がお見舞いに行くシーン。気分を上げようと病室で一人踊る桜良は僕にそれを見られて恥ずかしそうにするシーンが好きだった。
また、病院を抜け出して花火を見るシーンは本作の名シーン。あんなベスポジなのに、周り誰も人がいないという知られざる特等席の丘から見る夜空一面の花火が綺麗すぎた。そしてそれを見る2人が神々しい。実写版では病室での台詞だったので、こちらは本作の良さだった。ここで流れる 挿入歌の sumika "秘密" は◎だった。
主題歌OPは sumika で "ファンファーレ"。EDは "春夏秋冬"
実写版のMr.Children "himawari" に負けないくらい良い。
(以下ネタバレ含む)
まず、実写版の方が好む要因3つ目であるストーリー構成。実写版では大人になった僕が過去を語り、過去と現在を行ったり来たりする。その中で現在大人になり先生になった僕が、長い月日を経た後に桜良からの遺言の手紙を見つけ真実を知る、という物語構成。
たが、本作では高校生のままで完結する。
書いていて意見が引き締まらなくなってしまった。本作の方がとてもスッキリした印象が強い。実写版は小栗旬と北川景子を使いたかったから、あの物語構成になったのかなと思えてきてしまった。時差がある効果も大きいが、本作のスッキリまとまった感じも良いと思えてきた。めちゃめちゃな感想になってしまってかたじけない。
本作の方が、僕に対する当たりが強い印象の恭子。
桜良が亡くなった後、歩み寄った僕のおかげで親しくなりつつある二人。宮田一晴と上手くいく伏線がしっかり描写されていた。実写版では大人になった恭子は一晴と結婚式を挙げている。「ガム要る?」
「君の爪の垢を煎じて飲みたい」
本作にしかない言い回し。(原作は未読なため不明)
山内「桜良」って良い名前過ぎない?
10/19/2021 原作読了。
「君の爪の垢を煎じて飲みたい」は原作記述ありました。
原作本、実写映画、アニメ映画と鑑賞し終えて思うのは、この順番で観るのが良かったかなと思う。素直に世に出た順番で。
実写版やアニメ版での其々の脚色をプラスアルファとして楽しめるから。
これだけは記しておくが、原作本を読んでいる時でさえ常時、松谷卓のサントラが頭で流れ続けていた。