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デス・ウィッシュのTSのレビュー・感想・評価

デス・ウィッシュ(2017年製作の映画)
3.7
【悪を裁く外科医】78点
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監督:イーライ・ロス
製作国:アメリカ
ジャンル:アクション
収録時間:107分
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2018年劇場鑑賞85本目。
割と面白かったですよ。評価が低いのでそれほど期待していませんでしたが王道の展開でして最後まで飽きずに見れました。良きB級映画としてこれから人々の記憶に残りそうな感じです。犯罪が横行するシカゴにおいて、外科医が悪を裁いていくという、奇しくも医者が人を殺していくという映画です。同業者の方が見ると、いくらフィクションであれ許されないことなのかもしれませんが、一応理にはかなっているし、むしろそれを実行できるこのカージー先生は勇者ですらあります。

久々のブルース・ウィリス主演のアクション映画。不幸にも、自分の家が犯罪者三人に襲われます。家にいた妻と娘は人質に。娘の早とちりにより事態は最悪の展開へ。復讐に燃えるカージーは銃を購入し、犯罪が蔓延するシカゴの街中でフードをかぶり発砲してしまいます。このカージーの気持ちは何となくわかります。来る日も来る日も普通では考えれない傷を負って病院に運ばれてくる患者。犯罪を減らそうとしない警察にも苛立ちを募らせます。最早自分が悪を裁かないと解決しないという思いにさらされてしまいます。とは言っても自分が犯罪者の前に赴いて引き金を引くことなんて容易なことではありません。最初の発砲がカージーの決意の表れだったのでしょう。それ以降はまるでデスノートの夜神月になったかの如く、犯罪者を銃で裁いていきます。

それにしてもギリギリのラインです。銃の扱いは不慣れでありますし、カージーが特段際立った能力を持っているというわけでもありません。運が彼に味方して生き延びているシーンもありましたし、こちらとしてはハラハラする状態。結局のところ主人公補正が働き、悪は理不尽な結末にひれ伏すしかないのです。『ファニーゲーム』が言及していた理論とはこのことか。。

今作はアメリカの都市における治安の問題、銃社会の是非を問うてる中々の社会派映画でありました。途中、無許可でいきなり停車中の車の窓を拭きだすインフォーマルセクターのような人には笑ってしまいましたがこれがアメリカの都市社会の現実だとすると考えなければならない事態です。主人公は医者でありながら殺人犯となってしまうのでその是非は真っ二つに分かれると思いますし、結末も賛否両論でしょう。そのあたりも考えさせられ且つ、素直に面白い復讐劇でしたのでまずまずのスコアをつけさせていただきました。イーライ・ロス監督なのでまずまずのグロ描写もありますので注意。
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