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スターリンの葬送狂騒曲のblacknessfallのレビュー・感想・評価

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)
3.4
劇薬ブラック政治コメディと聞いていたのでけっこう楽しみにしてたやつ。

うーーーん、そんなに劇薬かな?
スターリン死去後の権力争いをブラックに面白おかしく画いて、そのバカバカしさと、そのバカバカしさが引き起こした惨劇について問いかける感じにはなってたけど、、

でも、その皮肉や権力者達の浅ましさの画き方が弱く感じられたし、何よりも後半に事態が陰惨、死者多数になってく過程でブラックコメディ調がトーンダウンしてそれなりにシリアスな政治劇みたいになってんのが残念だった。
題材が題材だから笑うに笑えない、でも可笑しい系のコメディにしかならないのは分かるんだけど、“博士の異常な愛情”みたいなドライな厭世感を出してるわけじゃないし、マジで中途半端だよ💦 スターリン死去後の凄まじい権力闘争っていう大ネタを裁き切れてない煮え切らなさを強く感じた。
なんかおもしろ風な雰囲気出してるだけなんだよ。ちょこちょこコントっぽいことやって、、福田雄一の映画みたいな小手先でやってます感が何とも癇に障ったよ。

政治風刺が得意な監督らしいけど、本当かよって思う、これ見る限り、、笑
サウスパークのトレイ・パーカーとマッド・ストーン監督でリメイク希望します。彼等が撮ったら徹底的に不謹慎な猛毒ギャグの政治風刺コメディ映画の傑作になると思う😀

事実関係はかなり史実に忠実らしいので、あの時何がソ連で起こってたのか勉強にはなった。なので観て損したとまでは言わないけど、全然たいしたことねえよ😬💦

しかし、時代、場所、体制が違ってもいつの世も権力闘争は浅ましく愚かしい。そして下の人間ほどその愚かさの犠牲になるのもいつの世も一緒な。

「つまらん連中が上に立ったから、下の者が苦労して、流血を重ねたのである」
仁義なき戦いのモデルになった美能幸三が書いた手記の結びの言葉を思い出したよ。
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