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METライブビューイング2017-18 ベッリーニ「ノルマ」のadagietteのレビュー・感想・評価

4.0
ああ、寝てもうた ....... 照明が暗い演出+女声歌唱多しで、前半だいぶウトウトしてしまいました。。
特に、デュエットにもトリル多用されてて、なんだか催眠術にかかったような感じになっちゃうんだよね(言い訳)

17-18のシーズンプレミエだったのですね。新演出。
ノルマっていうと、部族長の娘で巫女のくせに敵方の将軍とデキちゃって子供までもうけたのに、男が自分の弟子の若い巫女に心をうつして、怒り狂って半狂乱 ..............というイメージでしたが、ごめんなさい、違いました。

もちろん、男をとられて嫉妬に狂い感情をむき出しにするような場面もあって、そこも素晴らしく魅力的なんだけど、根っこは愛情深い性格の女性で、子供は可愛い、好いた男も愛おしい、弟子の巫女も大切だ。
特にメンツにこだわらず心を開いて弟子には支えられ、自らも支えてやろうという姿勢はとても女性的な温かさを強調する演出で好感度大。
オペラヒロインが歩む悲劇的末路は男由来がほとんどなので、ある意味、21世紀的かもしれない。

ソプラノの難度が高いことで知られる演目だが、アリアの困難さはもちろんのこと、巫女であることを際立たせるために合唱と対峙する存在感の確かさなど、演技面でもどっしりと軸を備えていなくてはならない。
もちろん、聴く側としてはこんな面白いものはない。
オーケストラも、打楽器を使って急にリズムに変化をつけたりする箇所などおだやかな音楽でありながらもスパイスが効いている。
でも眠りを誘う心地よさなんだけどね(笑)

それにしても、プリマ・ドンナという人種はすごい。
今回の案内役は、スーザン・フィリップスさんだったか、ムゼッタ歌ったみたいですが、なんと大きなお腹を抱えてのMC。
そうなんだよね .......世界中飛び回ってばりばり歌いつつ、子供もぽこぽこ産んじゃう。そして、あれだけの美声で美貌で頭もすばらしくよい!
この世のパワーと美の権化、という感じがする。

https://www.metopera.org/season/on-demand/opera/?upc=811357019306
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