ゆめちん

30年後の同窓会のゆめちんのレビュー・感想・評価

30年後の同窓会(2017年製作の映画)
4.0
30年後の同窓会

ベトナム戦争での戦友3人、酒浸りで男一人バーを営むサル、破天荒だった過去を捨て現在は牧師のミューラー、1年前に妻を2日前に遠い戦地バクダッドで息子を亡くしたドク、彼らはドクの突然の訪問で30年ぶりの再会を果たし、3人で彼の息子を故郷に連れ帰る旅に出ることに・・。

最初はギクシャクしていて、サルがふざけ、ミューラーが諭し、それを静かに聞くドクという3人のバランスが絶妙でたまりません。気が付けばその構図が崩れ、みんな当時の関係に戻り、バカ騒ぎしたり大声で笑ったり携帯買ったりと、脚本なしのアドリブで演じてるような自然な演技はとても素晴らしかった。

またドクの息子の戦死をきっかけに"3人のベトナム戦争の過去"が、会話や表情、仕草などで徐々に明かされ、絶対に解決できないその過去に再び向き合い、少しずつではありますが前に進んでいこうとする姿、そう言った辛く重いこの映画の本質部分が丁寧に描かれ、何とも言えない複雑な気持ちになります 。

エンディングの"軍服を着た葬儀"から"息子の手紙"、とても心に刻まれるシーンで、観てよかったという気持ちにさせられます。
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