開明獣

デンジャラス・プリズン ー牢獄の処刑人ーの開明獣のレビュー・感想・評価

5.0
息を吐くようにバイオレンス。食事をするがごとくバイオレンス。雑談するようにバイオレンス。布団の中で、すかしっ屁をこくようにバイオレンス。24時間365日バイオレンス。Everything, everywhere, all you do is violence.な作品😑

主人公のヴィンス・ボーンが、開明獣と同じスキンヘッドなのが好感持てる。同じコワモテ顔なのも共感してしまう。元ボクサーという設定ながら、身体はそんなに締まってないのだが、何せ無双!!気持ちいいくらい無敵無双!!北斗の拳のラオウも真っ青なくらい無双😌「むーん🌙貴様の攻撃など蚊ほども効かぬわあ💢」なのが爽快😌

自動車修理工をクビになって、ヤクの売人に成り下がり、しかも刑務所内でも殺しの司令を受ける主人公。堕ちるとこまで堕ち、周りの人間も悪ばかり😱誰一人として善なるものはいないという荒廃した設定で、歯止めの効かない暴力が爆裂する。

一応、主人公にもそれなりの信条や家族愛もあるんだけど、だからといって主人公に肩入れする気になるようなほどのものじゃない。じゃあ、何故こんなにも観るものを惹きつけるのか?

これって、構造的にはコロッセオでグラディエーター達を観てるローマ市民と同じなんじゃないかな、と思う🤔闘技場の中で命懸けの殺し合いを大歓声で熱狂しながら見ている観客と、映画というフレームワークの中で役者が演ずる殺し合いを観て夢中になっている私達と、人間が行う残虐な暴力行為に酔い痴れるという意味合いでは、両者に違いはない😑

救われるのは、ローマ時代はリアルで、我々のはフィクションだということ😮‍💨所謂、代替代謝で歯止めをかける機能にもなってるんだろうね。でも、人間には潜在的な暴力志向が、どんなに否定しても無意識に色んな形であるんだと思う。「私には絶対そんなものはない」と言い切れる人は、余程の聖人君子なんだろうけど、それは果たして真に人間的なんだろうか?結局、色んなことに折り合いをつけていくからこそ、人間らしいんだと思うのだが🙄

漫画、アニメ、映画、小説、美術、様々なメディアでバーチャルにバイオレンスが展開されているからこそ、私たちは隠された暴力性を日常に剥き出しにすることなく、正常でいられるのかもしれないね🧐

制作側は、少ない予算の中で、懸命に知恵を絞って、面白いものを創ろうとしているのが、よく分かる。その熱量が十二分に伝わってくる力作😊

この作品の存在を教えてくれた、bennoさんに感謝😌
開明獣

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