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Visionのhirogonのネタバレレビュー・内容・結末

Vision(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

好みは分かれる映画です。
河瀬監督独特の一種のファンタジー?

ストーリーはあまり説明的ではないので、監督の世界観に入っていけるかどうかで評価が変わりそうです。

ジュリエット・ビノシュ、夏木マリ、永瀬正敏、らの演技が印象的。

舞台は、監督の故郷、奈良の吉野の山。
山の自然の映像が綺麗です。

ジャンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は、フランスの女性エッセイストで、世界中を旅して紀行文を書いていた。
彼女は、”Vision”という伝説の薬草を探して吉野の山を訪れる。
そこで、山守をしているという智(永瀬正敏)に会い、しばらく彼の家に泊めてもらうことになります。
智はコウという白い犬を飼っていて、山に行く時はいつも一緒。
近くには、アキ(夏木マリ)という老女が住んでいて、薬草に詳しく、智とは懇意にしていた。
アキは、”Vision”という約1,000年毎に胞子を放出する薬草のことも知っている様子。

ジャンヌとアキが出会うシーンも、いわくありげ。
アキというシャーマンのような不思議な存在。
アキという存在自体が自然的なものの象徴になっている?

また、”素数”がキーワードとして語られる。
素数ゼミ(13年ゼミ、17年ゼミ)の話をジャンヌが語る。
”Vision”も、997年毎(これも素数)に胞子を放出して再生するという。
素数は生物にとっても重要で意味のある数として捉えられている?

ジャンヌが”Vision”を探して吉野を訪れた理由、アキの行動とジャンヌとの関係、鈴<リン>(岩田剛典)の登場、智とコウの役割、、、などが後半に語られていくのですが、ストーリー的にはちょっと消化不良な感じ。

河瀬監督のメッセージは?
監督は、吉野の森のストーリーと映像に、生物の進化、破壊と再生のイメージといったものを重ねているようです。

個人的には、難解なものより分かり易い作品が好みです。
役者さんの演技と世界観と映像には惹き付けられたのですが、鑑賞後に色々と疑問が残って点数は少し低め。
?マークの多いレビューでした(笑)
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