このレビューはネタバレを含みます
過日観た「存在のない子供たち」に続いて、中東モノ。
中東の近代についてはざっくりとした事しか知らないため、裁判で争う各々の理念、信念や思想に感情移入するまでには至れず…
一般論として互いを尊重し理解し合うことが大事だよね、というところまでしか感じられなかった自分を情けなく思った。
そのため、逆に鑑賞後にレバノンの歴史を改めて調べてみるきっかけとなり、これはなかなか簡単に理解し合おうなんて言えない程、色々と重なりすぎている現状を知ることができた。
その上で、改めて今作品を思い返すと、きっかけは些細なものであったものの互いに許しがたい宗教間対立の構造だった裁判が、その経過とともに真に相手個人をよく知る事となり、裁判上の勝ち負けはあっても、もはやそこにこだわることなく互いに小さな小さな理解をもたらしたということは、こんな酷い歴史を背負った世界にも希望をもつことはできるだろうな、と少し心が楽になれた!