KnightsofOdessa

ジュリアンのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ジュリアン(2017年製作の映画)
2.0
[量産型胸糞映画の枠を超えられず…] 40点

微妙。恐らく銀獅子をとったことで日本公開も決まったんだろうが、表題の通り量産型胸糞映画でしかない普通の映画だった。悲しいかな沸点が低いので、この太ったディエゴ・ルナみたいな父親にはこの世のありとあらゆる罵詈雑言を浴びせた後に釘で指を一本ずつ潰していって最後に足から吊るして殺してやろうと思うし、それ以外の感情は沸かないのだが、それ以上に残りの家族を全く上手く動かせていないのに腹が立つ。ルグランの私怨が多分に盛り込まれているのだろうか、ジュリアンには終始興味がなく単純に妻を自分の思い通りに扱いたいがために子供を利用するという父親は造形としては及第点だが、残りの扱いが雑すぎる。特に妊娠のエピソードを猛スルーされる姉ジョゼフィーヌと前半の主人公なのにパーティから突然登場人物に格落ちするジュリアンは完全に宙に浮いている。ヘイトを溜めて逮捕というカタルシスじゃなんの解決にもなってないんすよ。

ただ、ジュリアンくんの笑顔は最高に可愛い。やっぱり子供は笑って過ごさなきゃいかんのだよ。

冒頭の調停のシーンで夫婦のことを横にいる弁護士がべらべら話す姿をみて、星新一『肩の上の秘書』を思い出してしまった。見所(なのか?)はそれくらい。最後のシーンでドアを開けたら父親がいましたというオチだったら記憶にも残っただろうけど、多分年末には観たことすら忘れてる、そんな映画だった。今年公開の映画は地雷ばっかり踏んでる気がするな。
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