さうすぽー

劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-のさうすぽーのレビュー・感想・評価

1.2
こちらのレビューは、コードブルーのファン、そしてこの作品を楽しめた、感動したという方は閲覧注意です。
ただ、酷く傷付けるくらい攻撃的な言葉や言い方はなるべくしないように心がけます。

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自己満足点 20点

自分はコードブルーを中学時代にタイムリーで観ていました。
それほど思い入れが強いわけではありませんが、当時は好きで観ていました。
去年の3期は観ていませんでしたが、昔観ていた作品で、今ハリウッドの対抗馬を抑えて大ヒットしています。
なので友達からの誘いを受けて期待して観に行きました。

...まぁ、コードブルーが好きな方は感動するのかな?という感じでした。
前述の通り1と2は観ていたので、主要人物5人の成長は感じる部分はあったので、そこは良かったと思います。

ドラマの延長として観ればそこまで気にしなくて良い部分もあります。
ただ、これはあくまでも映画です。

僕はドラマの作品を映画化する事自体は嫌いでは無いです。例として「新参者」シリーズの映画は好きですし。
この作品がドラマの延長というのも解ります。
しかし、ドラマの延長である前にこれは一つの映画でもあります。
しっかりお金を払って観る映画作品のクオリティになってるかと言うと、申し訳ありませんが全くなってるとは思えませんでした。
正直これはこのクオリティのままSPドラマとしてオンエアしても他の医療ドラマに負けてしまうような内容という印象を受けました。

率直に言います。
好きな方は申し訳ないのですが、この映画は結構嫌いです!

ちょっとでも期待してただけあってガッカリ度合いは凄まじいものでした。
ここまで酷いとは思わなかったです。

医療ものの人気シリーズだけあって、たまに「なるほど」と思うような台詞もあったりします。
ですが、おおまかつまらなかったです。

何よりも脚本がごちゃごちゃです。
正直とても観るに耐えるレベルではありませんでした。

ドラマの5話分のエピソードを無理やり2時間に纏めた感じに思えました。
詰め込みすぎです!
別に何個かのエピソード自体を批判する気にはならないのですが、無理やり詰め込んだ事によって自分の中で余韻を作る時間が削いでしまいました。
そして、詰め込み過ぎな脚本によって話の内容がわかりづらくなりました。
結果、良い事言ってるかもしれないけど台詞が頭に入ってこない時が多かったです。
だから僕には全然感動出来ませんでした。

どうせなら、かたせ梨乃等のエピソードをドラマをやってる時にするべきだったと思います。そうすれば、焦点が絞られてバランス良くなり、だいぶ観やすくなったと思います。
正直、主要人物5人を描きたかったのか後輩の成長を描きたかったのかが解りません。
焦点がぼやけてるように感じました。

しかし、その中でも良かったキャラは一人だけいました。
後輩医師の成田凌です。
彼に関しては、患者の遺族との接し方に苦悩する姿が興味深かったです。
主要人物5人の成長も、少しは見れたかなとは思っています。
特に、比嘉愛未が亡くした婚約者の話をする時は少し感慨深い気持ちにはなりました。
ですが、それくらいです。

肝心な医療シーンにも問題は多いです。
自分もそこまで知識があるわけではありませんが、それでも医療監修と病院監修はどうなってんの?と思ったくらいでした。

特に酷かったのは、
アルコール依存症のかたせ梨乃が包丁が頭に刺さった状態で病院に車で運ばれてくるのですが(この時点でだいぶ問題ありだが)、手術台にのせてるのに酔っ払ったかたせ梨乃に自ら包丁を抜かれてしまうという大失態をしています。
まぁ何故か助かるのですが(まず助からないと思うけど笑)、本来だったらしっかり腕を抑え込んでいれば済んだ話なのに「何してんの?」と思いました。

そして、アル中で入院してるはずのかたせ梨乃が酒を飲んだ挙げ句院内を出歩くという事までさせてしまいます。
アル中の患者が入院してるので、普通だったら部屋に隔離するし、酒も絶対に部屋に持ち込ませないようにすると思います。
なのに酒飲んで出歩くという笑
監視の目、どうなってんの!?

それ以外にも、医者と看護師が患者の寝室で平気でプライベートの話をしてたり、何故か勤務中に結婚式をあげたりと、医療ドラマというジャンルなのに医療関係の描写が信じられない程に安直でした。
自分の見解ですが、少なくとも1期と2期はここまで安直じゃなかったはずです!
何でこうなるんですかね!?

あとカメラワークは、ドラマっぽいアングルや動きに新鮮さを感じた部分はありましたが、スローモーションやカメラアップがやたら多く、そこに正直結構イライラしました。

音楽も素晴らしい作曲家を使っているのに、音楽のセレクトが聴くに耐えられなかったです。
(何で手術のシーンがノリの良いテクノ調?
緊張感全く伝わらないじゃん笑)

まだまだ酷かった部分は沢山あるのですが、全部話すと文字数の限界まで行ってきりがないので、ここでやめておきます。

コードブルーは臭い描写はありつつも、研修医のリアルな心情や、患者が助かる確率が他のドラマよりも低めのリアルでシリアスな医療描写が好きでした。
しかし、1,2期のコードブルーの良かった所の大半が失われて、逆に嫌いな部分ばかりが目立ってしまったように思えます。

今年公開の映画は現時点で40本近く観てきましたが、その中でもワースト候補です。
過去のコード・ブルーを観ていなければ、確実にワースト1位だったと思います。
今年の邦画は良い作品が多いので応援したい気持ちがあるのですが、久々に失望してしまいました。
非常に残念です。

あとこれだけ言わせて下さい。
スタッフの皆さん、この映画はファンにだけ向けたのかも知れませんが、どうせなら普段映画観てる人にも楽しめるように作ってほしかったです!

そして、普段から映画を観てる人にはこの作品は全くもってオススメしません。
興収が良いからといって、期待して観に行くと僕みたいにガッカリしてしまいます。
僕のお金と時間は戻ってきませんが、自分達が言うことでガッカリする人が少なくなれば本望です。
もっと感動出来る作品はいっぱいあります。

ただ、Filmarksの評価も結構高いしフォロワーさんの評価もそんな低いわけではないので自分が少数派なだけかもしれませんが、
続編が出ても絶対に僕は観ません!

2018年 ワースト2位