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ダンシング・ベートーヴェンのhirogonのレビュー・感想・評価

4.0
ベートーヴェンの第九とバレエの融合。年末に相応しい作品でした!
このタイミングで見れて良かった!

スイス・ローザンヌのモーリス・ベジャール・バレエ団と東京バレエ団の共同東京公演までの9ヶ月に密着したドキュメンタリー。

モーリス・ベジャールはフランスの天才バレエ振付家。
彼は2007年に80歳で亡くなっていますが、日本文化にも関心があったことが説明されていて、今回のローザンヌのモーリス・ベジャール・バレエ団と東京バレエ団の第九の舞台もそんな背景の中で実を結んだ共演でした。

映画は、モーリス・ベジャールの後継者ジル・ロマン芸術監督の話を中心に、バレエの練習風景、関係者が語る逸話、団員へのインタビューに、公演の映像が随所に挿入されながら進んでいきます。

第九は、第4楽章の主題「歓喜の歌」が有名ですが、今回の公演における第九のメッセージには、”人類皆兄弟”・”平和への想い”等のモーリス・ベジャールの意志が込められています。
楽団は、ズービン・メータ指揮のイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団。モーリス・ベジャール・バレエ団と東京バレエ団にイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団という組み合わせ自体が、今回の公演のテーマを物語っています。

東京公演の80人余のダンサーによる舞台は見応えあります!
「公演の舞台の映像をもう少し見れたら、もっと良かったのに」とは思いますが、ドキュメンタリー映画としては、舞台シーンはあの程度が一杯かな。

私自身はバレエに関する知識は殆どなく、ローザンヌ国際バレエコンクールの特集番組を何度か見たことがあるくらい。そんな私でも十分楽しめました!
今回、バレエの練習風景や公演の舞台の踊りをじっくり見ることで、その動作の美しさに改めて気づかされました。
バレエは、人間の肉体の動作の究極の美の表現だと感じました。

今年の劇場鑑賞は本作で締めとなりました。今年最後の劇場作品として良い作品に出会えたことに感謝!
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