エイデン

ジョン・ウィック:パラベラムのエイデンのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

ニューヨーク
各地に潜む殺し屋達を支援する聖域“コンチネンタル・ホテル”
館内での殺しを禁止するという絶対の掟を破ってしまった伝説の殺し屋ジョン・ウィックは、友人でもあるコンチネンタル・ホテルの支配人ウィンストンから、追放処分までの1時間の猶予を与えられ、逃亡を図っていた
ジョンが殺した相手サンティーノは世界中の犯罪組織を束ねる“主席連合”の12人に属しており、彼の首には1400万ドルという破格の懸賞金が掛けられてしまう
刻々と迫る時間の中、ジョンは自分を付け狙う殺し屋達の影を察し、愛犬をコンチネンタル・ホテルへと預ける
その足で図書館へと向かったジョンは、隠してあったコンチネンタル・ホテルのサービスを受けるための金貨と十字架、そして掟により契約者に対し一度だけ拒否できない依頼を可能とする“誓印”を持ち出す
しかしそこに殺し屋アーネストが現れ、追放処分の時間前にも関わらず、ジョンの首を狙って襲い掛かる
激しい格闘の末にアーネストの首をへし折ったジョンだったが、ナイフで肩を刺されてしまう
仕方なく知己の闇医者を訪ねたジョンは、まだ追放処分が発動していないことを理由に金貨を渡し治療を受ける
しかし容赦無く時間が経ち、ジョンは世界中の殺し屋に命を狙われていく
そんな中でもジョンは、自分の殺し屋としての育ての親である犯罪組織“ルスカ・ロマ”のボス ディレクターと面会
十字架を使い借りを返せと迫ったジョンは、ディレクターの力で何とかカサブランカへと向かう
そこでジョンを待っていたのは、かつて誓印を交わした中である“モロッコ・コンチネンタル”の支配人ソフィアだった
一方 ジョンに1時間の猶予を与えたウィンストンと、サンティーノ殺しに協力したバワリー・キングの元へ、主席連合の命を受けた“裁定人”が現れる
裁定人は2人に7日間の後、現在の地位から退任するよう迫ると、更にジョンへの追手として日本を拠点とするフリーの暗殺者ゼロを仲間に引き入れるのだった



キアヌ・リーブス主演のサスペンス・アクション『ジョン・ウィック』シリーズ3作目

復讐の果てに禁忌を犯したジョンの次の相手は世界中の殺し屋!
前作のゾッとするラストの直後を舞台に、罪を精算するための戦いが始まる

自業自得感はあれど贖罪が一つジョンとしてのテーマにはなってるんだけど、物語の大半をバトルシーンに振り切った潔い構成がとにかく◎
初っ端から満身創痍のスタートながら次々と襲い来るキャラの濃い敵の数々
銃を向けたからには絶対に生きて返さないという強い意志を感じる戦いっぷりは爽快感抜群

また少ないながらジョンの深掘りが行われてるのも良い
これまでは基本喋ってる暇があれば殺してたので、なかなかジョンの復讐に賭ける真意が分かりづらかったけど、それがストーリーの邪魔にならない程度に明かされる
全てを失いながらジョンが語る望みに、個人的にはOh...と変な声が出そうになった

そしてシリーズ独特の殺し屋の世界も更に拡張
前作では軽く触れられるのみだった、コンチネンタル・ホテルを指揮する主席連合を始め、古くから連綿と続く壮大な世界観は別世界みたいで面白い
また様々な殺し屋達が出てきたことでジョンの語られてない過去の断片が垣間見える
何というかその広げ方が絶妙なのが毎回良いんですよね
風呂敷を広げすぎた訳でもなく、存在が上手いこと示唆されて鑑賞者の中でイメージが膨らんでく感じ

そしてこれまで中々ジョンと同等レベルのボスキャラがいなかったんだけど、本作は往年のアクション俳優マーク・ダカスコスが登場
凄まじいアクションシーンで大ヒットを記録したインドネシア映画『ザ・レイド』とその続編『ザ・レイド GOKUDO』でそれぞれラスボスを担当したヤヤン・ルヒアンとセセプ・アリフ・ラーマンを従えて、ジョンの前に立ちはだかる
これ以上無いキャスティングと、期待通りのアクションが観られるので安心してほしい
ちなみにマーク・ダカスコスはニューヨークで表向きは寿司屋をやりながら、裏ではニンジャ軍団を率いる日系人役だ
謎の日本語も披露してくれるぞ
元は真田広之がキャスティングされてたのにいつの間に降りてしまったのか・・・
ニューヨークで寿司屋をやりながら裏ではニンジャ軍団を率いる真田広之見たかった

更に盛り上がる『ジョン・ウィック』シリーズ
実は邦題から外れてるので分かりづらいけど、本作はチャプター3であって最終作じゃない
世界を敵に回しながら次何するのかってとこだけど、きちんと次作への繋がりがラストにあるよ
また近年流行りのユニバース化も既に企画中で、1作目以前のコンチネンタル・ホテルを舞台にしたドラマ『The Continental』と、本作に登場するジョンの古巣であるバレエ団兼殺し屋養成所に所属するバレリーナの殺し屋が主人公の映画『ballerina』も製作決定
クールでぶっ飛んだ殺し屋世界は更に広がるので期待を胸に本作もしっかり観ましょう
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