柏エシディシ

狼/男たちの挽歌・最終章の柏エシディシのレビュー・感想・評価

狼/男たちの挽歌・最終章(1989年製作の映画)
4.0
実際のとこ「英雄本色」シリーズではなく、時系列もキャラも連続性は無いのだが、チョウ・ユンファ/ジョン・ウーコンビのため「男たちの挽歌」冠を日本ではつけられた異色作………ながら、何を隠そう私的「男たちの挽歌」最高傑作はこれダァ!(気合)

ユンファ演じる主人公の殺し屋と歌手の悲恋の物語。その溢れる正義感と強引な捜査で同僚に煙たがられている刑事との対立と友情。
挽歌シリーズの中ではドラマパートのサスペンスと熱さは屈指の出来映え。
そして、何より他作品と比較しても特盛の銃撃戦の多さ、バリエーションの豊富さ、血糊の多さ。これが凄まじい。
特にラストの教会での大銃撃戦は映画史でも屈指の銃撃シークエンスと断言出来る。まぁ実際リアリティなんてモンは無いのだけれど、これ観て熱くならないヤツは男(の子)じゃねぇ!と無駄に握り拳をつくってしまう。
そうそう実は、鳩が飛んでいる「挽歌」はこれだけだから!(実際、他の作品でも「飛んでる」と記憶していたのだから人間の記憶なんて当てになりませんね)

フレンチノワールの影響を受けた熱きプロットと香港アクションの外連味を継承した伝統を、90年代ハリウッドに引き継いだ記念碑的作品は、実は本作と睨んでいる。
名著「死ぬまでに観たい映画1001本」初刷版にも堂々ラインナップ。わかってるねぇ〜
柏エシディシ

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