柏エシディシ

ヴェルクマイスター・ハーモニーの柏エシディシのレビュー・感想・評価

3.0
4Kリマスター版を。
うぅ…難しい…!しかし、何か凄い!
という頭の悪い感想しか出てこないのが本当に申し訳ないのだけれど、Filmarksを覗いても、大方似たような内容が並んでいるので安心した。
全編合わせても、数十カットしかないんじゃないか?という長回し撮影の嵐で、観ている方も緊張感が途切れない145分。
(普通の映画で700から1000カットって言われるのだから、この異様さは観ていない人にも判って頂ける事か、と。)
計算され尽くしたカメラと演者の動きの、とても意図的とは思えないその流麗さ、動く絵画のような完璧な構図。
絵ヂカラ、なんて言うけれど、タル・ベーラの前ではノーランも霞む。
相変わらず物語自体は抽象性が高い。
過去に触れたタル・ベーラ作品と比較しても、何というか怒りというか反骨精神みたいなモノが特に漲っている様に感じる。
理由は判らないけれど。
天文学や楽理的な知識への言及は、何だか「オッペンハイマー」や「三体」に触れたばかりの頭には妙なシンクロニティを感じて面白かった。
音楽や宇宙の理へのロマンとミステリーが、土埃のざらついた感触、血生臭い人間のいとなみと両立する世界。
柏エシディシ

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