柏エシディシ

インフィニティ・プールの柏エシディシのレビュー・感想・評価

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
2.0
息子クローネンバーグの新作。
それなりに楽しんで観たものの、鑑賞後はなんとも物足りなさも残り、前監督作「ポゼッサー」の自分のFilmarks感想を確認してみたら……殆ど本作の印象そのまま当てハマってしまってしまい笑ってしまった。
ほとんどコピーペーストしても良いぐらい。
前作がライズボロー力(りょく)で映画が何とかなっていたのと同様、今回もミア・ゴス力で保っているというのも相似だ。

https://filmarks.com/movies/88770/reviews/130753932

富裕層を象徴する様なインフィニティプール(高級ホテルやリゾート地にあるアレ)とクローン生成による無間地獄を掛けたアイデアからスタートするのは良いとして、中盤以降の展開の凡庸さはいかがなものか。
義父の威光にすがる才能のない作家の自己憐憫は、その重たすぎる名前を看板とした監督本人の述懐としても身も蓋もない。
先ずはカタチから入る映像作家として、トリアーやギャスパー・ノエの系譜に確実にいるのだが、どこか2世作家故の線の細さというか、その変態性や病質に、やはり深みが足らないと言ってしまうのは酷だろうか……
ブランドンの作家としての悲劇は、その興味や素養があまりにも父親に近いところにある事で、観る側もそのバイアスから逃れらない所だと思うが、今回も作り手も観る側もそこをブレイクスルー出来なかった様に思う。
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