【青春懐古】
俺にもピンポンみたいな青春があった。登場人物でいうと、アクマのような、なんだけど。
才能人の華々しい活躍の陰には、必ず血の滲むような努力がある。さらにその下には、努力しても花開かずに引退していった数多の選手たち。俺もその1人だった。
自分の努力が足りないのだろうか、それとも才能がないのだろうか。なぜ上手くいかない？どうすれば良くなるんだろう？…
そんなことばかり考えていた、苦しい部活生活10年間だったな。でも、確かに本気の時間だった。
大方の人がそうするように、俺も記憶の中で現役時代を美化してしまっている。「結果は出なかったけどあの時間は有意義だった」と。もうそうやって後から意味付けするしかできないから、そう思うだけなのにね。
あの時の等身大の気持ちは、当時の手帳に残っている。
1Rで あえなく負けた 後食べる
コンビニおにぎり 侘しき味よ
勝ちたい、負けたくない。
ただそれだけだったあの頃を思い出させてくれる、大切な作品。
