いや〜面白い!大好きな映画だ。
ハードルを目一杯下げて観に行ったが、そんな気持ちをはるかに飛び越えていった。
最初から最後まで一向に飽きることもなく存分に楽しんだ。嗚呼、好みだ。
見たくないものにはフタをする。
思い出したくない記憶はいつしか忘れてしまう。
だけど、思い出したくないものほどしっかりとこびりついて離れることはない。
嬉しい・楽しいという忘れたくない甘い記憶ほど容易く綺麗さっぱり洗い流される。
非情だ。
27年の時を越え、再集結したルーザーズクラブの面々。彼らも例外ではない。
故郷デリーでの記憶が失われている。
忘れたい記憶も。かけがえのない記憶も。
平等に、おしなべて。
そんなもの関係なく、ペニーワイズは牙を剥く。
27年前にとどめをさせなかった相手。
自分達が生き残るため、新たな犠牲者を生み出さないため、奴に引導を渡す。
向き合う相手は"現在"のあいつ?
いや、違う。
向き合うべきものは"過去"の記憶だ。
この映画の本質は過去との対峙。
自分が向き合いたくないものとの闘い。
「罪の意識」「打ち明けられない秘密」「変えたい記憶」などなど
ペニーワイズは単なる具現化装置でしかない。
乗り越えるべきは自己。
各メンバーはしつこいくらいに自分達のキズに向き合うことを余儀なくされる。
真っ向からそれ(IT)を乗り越えること、
それこそがLOSERからの脱却である。
中盤、スタンリーが「子供の頃の記憶を忘れ、新たなスタートに立つのが大人になること。自分はそれを受け入れない、忘れたくない」という主旨のスピーチをするシーンがある。
一方、終盤でルーザーズクラブの面々に対してペニーワイズによる「お前たち、大人になったな」という発言がある。
つまりは
忘れること(フタをすること)=大人になること
ではなく
忘れないこと(乗り越えること)=大人になること
この物語の一貫したメッセージ
自分に置き換えられるからこそ共感できる。
共感できるからこそ面白い。
あらためてこの映画大好きだ!
(おまけ)※どうしても書きたいこと
スティーヴン・キングさん突然出てきてびびった!!この人映画出るんや〜
あと、「遊星からの物体X」オマージュは最高すぎた!!!