エイデン

ハングマンズ・ノットのエイデンのレビュー・感想・評価

ハングマンズ・ノット(2017年製作の映画)
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京都
あるカップルが自宅で動画の生配信をしていたところ、3人の若者シノブ、アキラ、ユウゴが難癖をつけて上がり込んでくる
シノブとアキラは彼氏を殴り付け彼女をレイプするという凶行に及ぶが、その様子は一部始終 生配信されていた
後日 映像の手がかりから刑事の大橋と小林がユウゴへと辿り着き、“影山兄弟”として知られる主犯のシノブとアキラは逮捕されるのだった
数ヶ月後
ヤンキーにカツアゲされていたコミュ障の大学生 柴田は、偶然通りがかったホームレスの武田に助けられる
柴田は悩みを聞いてほしいと持ちかけ、これも何かの縁と武田も耳を傾ける
柴田の悩みとは女性に猛アタックされているが、恋愛経験に乏しくどうすればいいかわからないと言う
しかし実のところ、猛アタックというのは柴田が電車で挙動不審な態度をしていたところを面白がった女性に動画を撮られただけだった
それ以来 妄想が膨らんでいった柴田は、いつしかその女性 由佳と付き合っていると思い込むようになり、盗撮を繰り返すなど異常な行動に走っていく
そして由佳の誕生日を迎え、柴田はついに一線を越えてしまう
その頃 出所した影山兄弟は、自分達を警察に売ったユウゴに復讐し、ヤンキー仲間と合流する
女子高生のあおいを仲間の自宅へ拉致しレイプに興じ、止めに入った家主の父親もすぐ返り討ちにすると、山中に生き埋めにしてしまうのだった
悪事を繰り返す影山兄弟と暴走する柴田の運命は、ひょんなことから交錯し・・・



カナザワ映画祭2017で期待の新人監督部門グランプリを受賞した阪元裕吾監督の自主製作映画

ヤバいサイコなコミュ障と、ヤバいヤンキー兄弟が激突
まあまあの被害者を出しつつ、救いようの無い極悪っぷりを披露していく両者が運命的に出会い、当たり前のように殺し合いに発展していく
構成としてはVSものの怪獣映画みたいなもん
ぶっちゃけ、どちらも応援したくないのに謎の熱さがある

監督の阪元裕吾は後に『最強殺し屋伝説 国岡』や『べいびーわるきゅーれ』などで、オフビートな笑いとキレキレアクションというギャップで魅せるヒット作を作ってるけど、本作は徹底して理不尽な暴力を描いている
一方でやや荒削りな面もあるけど、本作でも後年の作品に繋がるような良さを感じるのも事実
コミュ障やクズなどキャラクターの解像度が高く、等身大の人物像に見えるのはオフビートな笑い作りにも繋がるし、
平時の場面からインパクトある暴力描写への繋ぎ方は、後のアクションへのギャップに通じる爆発力を感じられた
素直なまでの暴力映画だけど、やっぱり才能あるし、演者も普通に上手い

記載の通り人を選ぶ映画なのは間違い無い映画
ただ非常に不快、だけど観られちゃうという上手さの上に成り立ってる作品なので観ましょう
エイデン

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