社会現象化して上がりに上がった期待値の反動からか、半ば懐疑的になっていたところでの鑑賞。いやもう、おみそれしました。
この満額回答、満願成就、満漢全席っぷり。文句のつけようもないですわ。最後はもはや泣きそうですらあったよ。
作り手の情熱や願いが物語に組み込まれた作品としてはこないだの『ブリグズリー・ベア』や、今や売れっ子になった松本穂香が出ていた怪作『MATSUMOTO TRIBE』(握手とサインもろたん今となっては貴重?)と意外とハズレがないけど、これはまた掛け値なしの超快作だと思う。
何を書いてもネタバレだからうまく書きようもないけど、クソ企画とクソ駄作の中にも真摯に、必死に込められた映画愛がある。それを感じられただけでも、映画鑑賞者としての自分の姿勢に、今後いい影響があるような気がする。
そして、みんなの強い思いが込められていても駄作は駄作でしかないという当たり前の現実も、この大カタルシスの裏でしっかりと添えられていて好感。いやー、素晴らしい。
こういう笑って泣けて驚かされる(底引き網がごとき伏線の大回収や見事!)作品を作り上げたスタッフや役者さんたちに、次のステップが用意されることを強く望む。というか、端的にみんな売れてしまえ! という気持ち。
こういう作品が1年に1本でも出れば、邦画の世界はもっとおもしろくなる気がする。がんばれ、若き制作者〜! こっちも、こういう作品を素早くキャッチアップできる鑑賞者でありたい〜!(でもネトフリにかまけて無理〜!)