PTAの新作ということで、普通の恋愛映画でないことはわかっていたけれど、ジョニー・グリーンウッドがサントラ担当している…ということもあり鑑賞。
ドレスの仕立て屋と、若きウエイトレスの恋物語。
といえば聞こえは良いが、
相応しい言葉といえば、まさしく狂気。
つまるところは変態映画。
毒を持った女の愛は恐ろしい。
どうやら、愛と変態は紙一重らしい。
これは、「究極の共依存」を形にした映画である。
じわじわ溶けてゆくバターのように、
刻まれるキノコのように、
歪んだ愛に蝕まれた心は、たとえ殺されようとも幸せを感じるほどに麻痺してしまう。
愛の形は人それぞれなのだ…
繊細でゴージャスなオートクチュールは圧巻で、これぞ劇場で観るべき映像美。
ドレスを纏うたび、怪しく輝きを増すアルマの笑みはナイフのように冷たく美しく、レイノルズの完璧すぎる佇まいは流石の一言。
ふたりの狂気の宿った演技は必見。