ゆうちゃん

ファントム・スレッドのゆうちゃんのレビュー・感想・評価

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)
4.2
クラッシックで優雅な世界。
しょっぱなからひきこまれる。

舞台は1950年代のロンドン、完璧で規律的なオートクチュールの仕立て屋ウッドコックがウェイトレスのアルマと出会い、互いに惹かれ合い、生活を共にし、その先にある究極の愛の行末を描く。

まがりなりにも、服飾に携わっている身として、オートクチュールの世界は憧れの世界。ビンテージの生地に、細やかな縫製、デザイン。ワクワクする。特に生地が好き。
そしてハウスオブウッドコックの外観、内装に螺旋階段、1950年代ロンドンの邸宅を完璧に再現していて、魅了された。
完璧な美の世界。
しかし美に魅了されているのはつかの間。
規律が乱れるのを嫌い自分ルールに彼女をあてはめようとする彼。自分なりの愛し方を変えない彼女。この二人の恋愛の駆け引きが恐怖さえ覚える終盤へと続く。綺麗だなとボーっとしてられないぐらいの展開だった。うまく言えないけど、静かにじわじわと追い詰められる感じ。いろんな愛の形があるし、奥が深い。これは究極すぎるけど、ブレないところ、頑固なところ、少しわかるとこもあったりする。←こわいこわいw

この究極の愛に共感出来るかできないかは別として、彼を演じたダニエル・デイ=ルイスとアルマを演じたヴィッキー・クリープスの静かなバトルは見応え十分。会話は最小限に目の演技やひとつひとつの動作で魅せてくれた。特にキノコオムレツにバターのところはすごいてす。
そして、この完璧な美の世界をつくりあげたPTA監督はやはりただものではない。
音楽はジョニー・グリーンウッド、ほんと完璧だな。
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