ちゃこ

日日是好日のちゃこのレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
4.5
すごくいい。お茶の世界に入り込んでいるときほど、藍や青の服を着ている。模様に青があったり、インナーが青だったり、靴下だったり。 主人公の元々の色は黄色や山吹なのかな。

映画『道』を見ないとね。あんなに推してたんだから。


邦画の良さ100%な作品だな。五感が喜ぶ。聞き馴染んだ音、柔らかい光、冷たい水、沸いたお湯。茶道でも花道でも柔道でも、「道」の世界って、形式があって、型に則って、感覚で動く。日本人には心地いいと感じるはず。形式美。

五感と第六感を使ってたっぷり感性が豊かになった私たちには、黒木華のミリ単位の表情に敏感になってる。

日本に「空気を読む」という言葉があるのは、形式とか型があらかじめ決められていて、「常識」とやらを共有していたから、成り立つんだね。人を輪から弾き出すための「型」ではなく、「これさえわかれば、あなたも輪の中にいられるんですよ」というための「型」なのかもしれないね、と思った。

拠り所。宗教を持たない人にも、柔らかい信仰を与えてくれる。立ち返る場所。

礼法の授業思い出した。丁寧なお辞儀は相手にも自分にも心地いいよね。

あー、あんな素敵なお庭のある家に住みたいよ!でも手入れが大変なんだよ〜〜!在宅の日の休憩に雑草抜きがいいんだけどねえーーー


東京に住んでると、自然の音ですら、デジタルに頼らなくてはならないときがある。機械の発する音に囲まれてピリピリとするから、鳥や、風や、水などの音を求めてしまう。それなのに、気づいたら右手で音源を探している。どこかの森林の音を収録したアルバムを再生して満足する。それでもいいんだけど、本当は、音源がなくても、聴こえる環境に行きたいの。東京の人はルーツを失っていないかい。資本主義で経済の発展を目指すばかりが、人間の目指すところなのかい。東京至上主義はうんざり。でも東京の気の高さや、いろんな人が共存できるところは好き。



《2021:17》
ちゃこ

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