どーもキューブ

レイニーデイ・イン・ニューヨークのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ウディ・アレンのニューヨークで雨が降る


脚本監督ウディ・アレン。



2020年劇場新作遠のくなか1枚のチラシあり。

何やらかわいい若き女性2人、ナイーブそうなロン毛青年ひとり。

題「レイニーデイインニューヨーク」
監督ウディ・アレン。

見たい欲求が俄然あがる。これは「それでも恋するバルセロナ」以来かも。

ラブストーリー、軽そう、三角関係、ニューヨーク、雨。ウディ・アレンの得意分野を若手でやってみた映画に見えてとっても見たいボルテージが2020年1番上がった。

あがる理由は、ウディ・アレンの若者、とりわけティーン映画が見てみたかった。

私の大好きな「世界中がアイラブユー」でちょっとそんなシーンがあった。ルーカスハースとナタリーポートマンの絡み。だが映画内ではかなりごく一部。台詞説明で終わりのようなティーンドラマ終わりだった。

ウディ・アレンをおさらいすると、初期のナンセンスコメディ期。中期のラブストーリーからサスペンスまでの90年代。後期の一流俳優を独自配合して1本作るスタイルに分けられる気がする。

初期おさらい。
ニュース映画風に泥棒コラージュ映画処女作「ウディアレンの泥棒野郎」

ウディアレンのセックスベラベラベラ「ウディアレンの誰でも知りたがってるくせにちょっと聞きにくいセックスについてお教えしましょう」タイトル長!いちおオムニバス映画

中期。アカデミー受賞のウディ・アレンのニューヨークの恋「アニーホール」(DVD所持)

ウディアレンの映画監督とは。私のウディアレン傑作いり「スターダストメモリー」(DVD所持)

後期のアンサブル恋愛もののに繋がる傑作「ハンナとその姉妹」(DVD所持)

精神が病んでみたら自分と同じような女がみえた「私の中のもうひとりの私」

ウディアレンが好きなベルイマン映画に似せて1本。海辺の姉妹「インテリア」

ニューヨークで1本「マンハッタン」

後期ウディアレンのミュージカル。楽しい、歌えない俳優のミュージカル大好きな映画「世界中がアイラブユー」

テニスのマッチポイントに引っかけた推理もの。スカーレットヨハンソンの艶やかなミステリー「マッチポイント」(劇場鑑賞)

四角関係にしながらバルセロナで右往左往。スマッシュヒットした「それでも恋するバルセロナ」(劇場鑑賞)

悩み迷い込んだらカルチェラタン話「ミッドナイトインパリ」これが最近で見たものの中で最新。

中期ぐらいまで懸命に見てたが、後期からはもはや多作作家になりすぎて見るのも追いつけない。

全作品見てるウディアレンファン日本で何人いるんだろう。
そんなんでウディアレンの若者青春映画が見てみたいと思い行ってきた。



まず大前提の話ひとつ。

ウディアレンの映画は、ウディ・アレン節が炸裂する。それはウディアレンの分身のような性格を表すキャラだ。お喋り、場の雰囲気や例えをダブルミーニングで言う(作品名を言ったり、表現者を名乗ったりする)、比喩揶揄、喜怒哀楽激しい、神経質、変なギャグ、間、移り気、不安、こんな性格が各登場人物に刷り込まれている。そのウディ分身キャラが恋したり、サスペンスになったり、コメディになったりする。そういう映画がウディ・アレンの映画だ。よく雑誌に書かれてたのは「ウディ・アレンの映画はどれも同じようでウディ・アレンの映画とよくわかるが判別つかない」みたいな記事がある。同じような展開、急な中盤、結末当たり前。それがウディ・アレン映画だ。なんで、ウディ・アレン映画を1本も見たことなくて面白さをどうはかるかわからないが、他作品見てみてあわなければもう見ない方が良い癖が強い脚本家監督だという事を大前提わかって頂けると助かる。

さて、感想は、とてもとてもいやあ面白かったなあ~。近年マスターピースじゃかなろう。私は「それでも恋するバルセロナ」以来と見る。他見てないの沢山だし、「ミッドナイトインパリ」はあんま好きじゃないのでという理由。

いやいやいつもの少々強引とか少々そんな設定持ってくとか。いつもの突っ込みどこ満載だったが。

役者3人が物凄くよかったにつきる。本当に俳優チョイスは神がかっているというかウディ・アレンの見抜く俳優チョイスは確実に素晴らし過ぎると思う。毎回そうだが。

主役のティモシーシャラメ。ルカ監督の作品で飛び出してきた方だった。ナイーブさうで、地方の大学生っぽい感じがとってもよかった。感じも話す内容もよかった。なかでもシャラメのピアノプレイ必見です!オッサンはうっとりしたぞ~!この若きウディ分身のシャラメことギャッツビーのうろうろヤキモキ物語。

しかし「ギャッツビー」ってまんまやないかいというスコットフィッツジェラルドの「華麗なるギャッツビー」をさしてるのかい!と胸中突っ込む。

そしてセーター着て、ハラハラガハハ笑うエルファニング必見。いやああのエルファニングに見えなかったよなあ。けどエルファニングの天性の可愛さを魅せた功績はさすがウディアレン。不細工にみえそうな酔っぱらいのシーンのキュートな所は必見!

ていうかジュード・ロウに1番興奮してた気がするけど。しゃっくり多めだし(笑)だけどこのシーンも秀抜なんで見逃さないで欲しいんですが、ジュードロウがあそこでベラベラ喋らず奪ってたらわからないよねえ。ジュード・ロウがスピルバーグの「AI」の頃と比べ老けてきて若干ショックな閉口あり。

あと適役すぎるティエゴルナ(ちゃらい)、リーブシュレイバー(ナイーブさが鋭くおじさんくさくてグゥ)。

そういう間みたいなのがあのパーティーシーンでカメラワークとともに素晴らしく表現。

調べたら、撮影がヴィットリオストラート様じゃないですか!「地獄の黙示録」「ラストエンペラー」のヴィットリオだす。まあだから綺麗なんだすよ!何が

「レイニー」がうつしく!

必見です。素晴らしい仕事ですよね。カメラマン志望の方は必見!
べっちゃべっちゃな雨降りを映画に取り入れる撮影の美しさ、見本的素晴らしさが映ってました。素晴らしいですね。

映画の雨は、基本「嘘」ですからね。

そして私もこの娘さんに惚れるう?とやや疑問符持ちながらも、いややはり偶然が結ぶ恋のレイニー神を持つセレーナ・ゴメス必見。少し膨れたようなセレーナの何でもかんでも言える男女ってウディアレンあるあるですが、理想なんでしょうね。アヒル口でもありますよね。

ティモシーとエルファニングの時は、ややティモシーが気を使ってる感じが見受けられます。

レイニーは、実はこの3人に表と裏を魅せてくれる結果になるんですが、その皮肉もきいて、ラスト付近のティモシーシャラメの落ちが私的にとても大好きでした。詳しくは割愛。素晴らしい熱演もあり。

ラスト含め久々にラブリーエンディングでこれだけでも全然断トツマスターピースでした。はい。こういう甘い終わり単に好みなんです。



【追記応援】
「ミートゥ」問題で公開延期!断固反対!私的恋愛と映画公開、全然関係なし!日本は素晴らしい!
※チャップリンしかり、ウディアレンしかり歴史は繰り返すが、上映賛成!!

さて
ウディ・アレンが魅せる
雨のニューヨークの3人
私は近年まれにみる傑作だと信じてます!

ウディ・アレンファンのみ!どうぞ。
ティモシーシャラメ
エルファニング
セレーナ・ゴメス
ファンはマストで!

蛇足追記
男女で笑い方が嫌で別れるってあるのかなあ。いやあるんだろうなあ~。
どーもキューブ

どーもキューブ