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戦争の序曲~大戦前夜のefnのレビュー・感想・評価

戦争の序曲~大戦前夜(1942年製作の映画)
3.7
 軍縮条約に基づいて軍艦自沈さでるアメリカと龍のように東西へ領土を拡張する大日本帝国、血飛沫をあげながら西へ東へ手を伸ばすナチドイツ、家に集い子を生み育み自由に本を読むアメリカ人と集団農場に男女をかき集め殺人兵器に仕立て上げ、挙げ句の果に本を炎のなかに投げ込むナチドイツ。
 民主主義か全体主義か、神か独裁者か、相反するイメージを交互に並べてイエスかノーを迫り、戦う理由を自分のうちに固めるように誘導していく様が実に巧妙。(歴史、政治的には条件の違う国々に同じ理念を当てはめて成否を決める必要はないわけですよ)
 プロパガンダといえばグリフィスだが、映画的な技巧、情報の取捨選択(アメリカは侵略で成り上がった国だし、当然情報統制もやってる、あと人種差別も当然のように云々)の技術ではこの作品も完成度が高い。
 キャプラの作品のうちでは汝の敵日本を知れ、の方が好きだが、こちらも十分に見応えがある。
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