NEWおっさん

名探偵コナン ゼロの執行人のNEWおっさんのレビュー・感想・評価

4.0
「安室人気にあやかるだけじゃない攻めの姿勢」

お馴染み劇場版コナン22作目。今回は黒の組織のスパイであり公安の安室がメイン。この安室ってキャラが大人気で、彼主役のスピンオフ漫画が出てるくらい。興行収入もシリーズ歴代1位の86億円を叩き出した。見る前は安室人気にあやかってるだけでいつものコナンだろ、と思っていたが、いやいやどうして、かなり攻めている内容だった。ドローンとかサイバーテロ、ネット経由の家電とか最新のものを取り入れてるのも新鮮。

まず不満から言うと、今回は警察庁、警視庁、検察庁が出てくるんだが、そこに公安や弁護士、検事も絡んできて大人な自分でもややこし過ぎてついていけないぐらい難しかった。大人でも難しいのに、ターゲット層であるチビっ子どもは訳分からなかったどころの話じゃないんじゃないか。今回脚本を担当しているのが、「相棒」の櫻井武晴だと知ってなんとなくこんな難しい話になったんだろうなあ、と思う。“協力者”とか”公判前整理手続き”とか色々難しい単語もいっぱい出てくる。

しかし、その難しさがかなり深いところまでドラマを書けていて、かなり面白かったのは確か。コナンでやる必要ないだろという意見もありそうだが、お馴染みのメンバーである警察の面々を初め、公安に所属する安室など、お膳立てを整えられる最適な作品であるのはコナンにおいて他ならない。

そしてその難しさを過ぎた後はいつもの如くありえねえだろアクションシーンも満載。むしろそれまでに息を潜めてた分、無茶苦茶さも大爆発する。今回のキーである安室のカースタントは必見。コナンに「彼女いるの?」って聞かれて答えるシーンはファン垂涎モノ。何と答えたかは映画を見よう。

層によって色々と賛否がありそうだが、余韻冷めやらぬ勢いで言っちゃうと自分は劇場版コナン随一の傑作「ベイカー街の亡霊」と同じくらい面白かったなあ。

—————ここからネタバレ—————





















おっちゃん逮捕の真相聞いてかいかぶり過ぎだよで終わらすのはちょっとなあと思った。そこはどんな理由があろうが巻き込んだコトは許さないぐらいのコト言わないと。事件解決できなかったらどうしてたんだよ。結果的に蘭姉ちゃん泣かせてるしさあ。