アンドレ=ブルトンらによる『シュールレアリズム宣言』を白水社の文庫クセジュで読んだときの衝撃を忘れない。
現実を表現するには、リアリズムでは限界がありそれを超える=シュールということを「1924年」に宣言した(していた)ことが衝撃だったはずだ。
その具現化というか、具体的な作品がこれだ。
脚本のサルバトール=ダリに監督ルイス=ブニュエルという超豪華な共作。
今の感覚で見てはいけない、制作された1929年という先駆性!
冒頭の眼球をカミソリで切るシーンをはじめ、衝撃的なまさにシュールな映像の数々、その脈絡のなさ。
一毛もワケをわからなせようとしていない、潔さ。
頭で考えた「シュール」なものは数々あるが、この突き抜けた感覚はすごい。空前絶後だ。