諸星だりあ

スパイダーマン:スパイダーバースの諸星だりあのレビュー・感想・評価

4.7
来週末の新作に向けて、鑑賞。

実写版映画とは異なる世界観で描かれるスパイダーマンの物語。今流行りのマルチバース物として、違う次元のスパイダーマンシリーズ、とも言うべきヒーロー達が集結する。

スパイダーマン自体はこれまで何度も映画化され、誕生の物語が繰り返し描かれてきたが、これも主人公マイルスが放射能を浴びたクモに噛まれ能力を得て、ヒーローとして成長していうという大筋は同じ。ただ違うのは先に既にスパイダーマンが存在している世界で、彼はそれを継ぐ格好になるところ。近しい存在が敵であったり、死別によって成長したり、などスパイダーマンでは見たことのある展開がありあぁ、スパイダーマンだなと不思議な安心感まで覚える。

そしてこれはアニメ、アニメでなければ表現し得ないアクションが繰り広げられ見応え充分。マルチバース特有のカセが効いてくるのもマイルスの成長に繋がる要素で、王道のシナリオが実は飽きさせない要素なのを実感させてくれる。ピンチの時に軽口を叩くのも相変わらず。悲しみを背負っていながら戦いの時はそれを感じさせないのがスパイダーマンの魅力なのだなと思い知らされた。

個人的には、父との蟠りが溶けてマイルスが覚醒するポイント、これも王道ながら純粋に燃える事が出来た。公職にある親にありがちな、子供を縛ってしまうパターンだが伯父の死を以て親子愛を認め合うシーンは感動的だった。
これまでのスパイダーマンとは違う能力を持つマイルスだがそれを使いこなすようになる様は気持ちが良い。
そして、負けずに個性的な他のヒーロー達、男はカッコ良く、女子陣は可愛い。特にペニーは日本アニメのようなタッチで驚き&気に入った。

総合してみても特に穴のないヒーロー映画。
友人の勧めだったが、続編が楽しみになった。

「これ以上スパイダーマンを失えない!」
「僕もだ」

「信じて跳ぶしかないか」
諸星だりあ

諸星だりあ